支配下公示 06ブルズ

いつも関西独立リーグを応援していただき誠にありがとうございます。

下記の選手を、支配下選手登録いたしましたのでお知らせ致します。

06ブルズ

名前:森 舜(もり しゅん)

生年月日:2000年6月7日

身長:173㎝ 体重:88㎏

ポジション:内野手 右投右打

背番号:3

球歴:滝川第二高

さわかみ関西独立リーグ

さわかみ関西独立リーグ堺シュライクスのナックルボーラー、佐野太河【sideP】

佐野 太河(サノ タイガ)

birthday:1998.11.16
blood type:B
height:172cm
weight:67kg
foot size:27cm
favorite color:赤
favorite animal:ドールシープ
nickname :シャワー室の長
dobutsu_uranai:コアラ。宴会好きな夢追い人

【1】自己分析

マイペースです。他人のことはあまり興味がないというか、気にしないですね。同世代で対戦してみたい選手がいない(sideB参照)のも、自分のことだけを考えているからかもしれません。

たとえば、自分の調子が悪いとき、他人と比べて焦ったり落ち込んだりするということもないですね。

他人を気にするよりも、自分を高めていくことが、楽しいと思います。

監督やコーチからいただいたアドバイスとか、ツイッターで集めた情報とか、いいと思ったことはとりあえずやってみます。やってみてから自分に合うかどうか考えますね。もしダメならやる前に戻せばいいんだし。

【2】スポーツメーカー

グローブは「ウィルソン」を使っています。ウイルソンのすきなところは、デザインがいいところ。あと使いやすさです。

【3】休日の過ごし方

(趣味は初動負荷トレーニング?と聞かれて笑う佐野投手)

休日は初動負荷トレーニング(ワールドウイング)をしています。千葉にいたころに初動負荷トレーニングを知り、家の近くのジムに毎日のように通っていました。

大阪にも初動負荷トレーニングができるジムがあって、コロナウイルスが流行する前はずっと通っていましたね。

【4】チームメイトや友だち

(成人式のときの写真)

誰かと一緒に遊びに行くとかは、あまりしません。かといっていつもひとりでいるわけでもなく、すきなことをして過ごしていたら、気がつけば誰かがいて一緒にやっていた、という感じです。

一緒にいる時間が一番長いのは……山田(偉琉 捕手)ですかね。トレーニングもひとりですることが多いんですが、気がつけば山田がいることが多いです。

関東にいたときの友だちとは、たまに連絡をとっています。就職活動をしている友だちが多いので、就活のあれこれを聞いたり、自分の近況報告をしたり。

【5】映画鑑賞

映画鑑賞がすきです。最近忙しくて見ていませんが、オススメは2つ。

スターウォーズとアベンジャーズが一番すきです。スターウォーズは全部すきですけど、特にすきなのは「エピソード3」

前までは時間があれば映画を見ていたんですが、今の自分には野球をしていくために足りないものが多すぎて、それを補うために時間を使っています。

たとえば、ぼくには柔軟性が全然足りなくて股関節が硬いので、ストレッチの時間をかなり増やしたりとか。

【6】Twitter

YOUTUBEにあがっているナックルボーラー動画はほとんど見ています。あと、自分のTwitterに自分の動画を投稿しています。

最初は単純に「自分でもすごい球を投げられているところを、みんなにも見てもらいたいなぁ」と思って始めましたが(笑)、今は自分の成長の記録として、日記感覚で使っています。

野球以外はけっこう適当ですね。目標を達成するために計画的にやっていくタイプではないです。夏休みの宿題も全然コツコツやらなかった(笑)

【取材後記】

YOUTUBEでナックルボーラーの動画を見て研究したり、ワールドウイングを趣味だと言ったりしてしまうぐらい、オフの時間も野球のことを考える時間が長い佐野投手。

インタビューをしながら浮かんだ言葉は「寝ても覚めても野球」です。そのため、side Pのインタビューもside Bの延長のように感じました。

「フルタイムナックルボーラー」という目標のために、今やるべきことが何かを考え、険しい道のりを一つひとつクリアしながら進んでいく姿は、RPGを楽しむかのようです。

(一方で、球団職員の伊藤さんによると「しゃべったら真面目やけど、実は結構おちゃらけてるかな」とのこと。チームメイトの藤澤琢朗選手、片山凌平選手のツイッターでは、おちゃらけた佐野投手の姿も見ることができます。)

今年の佐野太河投手のレベルアップが楽しみです!

(文:さかたえみ 写真:佐野投手提供)

支配下公示 06ブルズ

いつも関西独立リーグを応援していただき誠にありがとうございます。

下記の選手を、支配下選手登録致しましたのでお知らせ致します。

06ブルズ

名前:楢原 健汰 (ならはら けんた)

生年月日:2000年12月13日

身長:183㎝

体重:85㎏

ポジション:投手 右投右打

背番号:12

球歴:米子北高 大阪商業大中退―06ブルズ

名前:中村 雅友(なかむら まさとも)

生年月日:1996年9月6日

身長:181㎝

体重:75㎏

ポジション:投手 右投両打

背番号:15

球歴:高知中央高 太成学院大――NSBベースボールクラブーー06ブルズ

名前:内海 皓太(うつみ こうた)

生年月日:1999年12月2日

身長:183㎝

体重:77㎏

ポジション:投手 右投右打

背番号:16

球歴:大阪府立市岡高 大阪教育大(在学中)―06ブルズ

名前:山北 修平(やまきた しゅうへい)

生年月日:1996年7月31日

身長:170㎝

体重:65㎏

ポジション:投手 右投右打

背番号:19

球歴:神戸弘陵学園高中退―KC西宮

さわかみ関西独立リーグ事務局

さわかみ関西独立リーグ堺シュライクスのナックルボーラー、佐野太河【side B】

新型コロナウイルスの影響で開幕延期―
前代未聞の事態に、今選手たちは何を思っているのか。
オンライン取材で今、過去、そして今後のことを聞いてみました。

第5回は堺シュライクスのフルタイムナックルボーラー 佐野太河投手をピックアップ

西船橋のドトールで

「君の夢を叶えるための応援したい」

2019年11月。メジャーリーガーを目指しワールドトライアウトの受験を終えた佐野太河は、堺シュライクスオーナー、松本祥太郎からそう声をかけられた。場所は千葉県、西船橋にあるドトールだった。

「北海道のリーグからも声をかけられたのですが、松本オーナーからそういう言葉をかけていただいたので、堺に決めました」

すごいナックルを投げると騒がれた大学3年生の右腕は、こうして大阪にやってきた。
特に対戦したいと思う同世代の選手はいない、趣味はトレーニングというストイックな姿勢で野球に取り組んでいる。

(ナックルの握りを披露する佐野。爪を軽くボールに当てて投げるのがコツ)

ナックル

「大学2年生までは普通の投手でした」という。ほかの変化球も投げていたが、意外なところにきっかけがあった。
「NHKの球辞苑という番組で、ティム・ウェイクフィールドがナックルの投げるコツを紹介していていたんですが、それでコツをつかんだ感じでした」

これまで遊びで投げていたナックルが急激な変化を見せ始めた。そこから日本でもまだほとんど例がないフルタイムナックルボーラーへの道を進み始めた。※

日本で手本にできる選手は少ないが、ウェイクフィールドやR・Aディッキー、スティーブン・ライトらの動画を見て手本にしている。
「もっと精度の高い無回転のボールを投げたいですね。ストライクゾーンにしっかり入れることができれば抑えられると思っています」

課題と藤江コーチからのアドバイス

練習中は毎回ブルペン後方にカメラを置き、投球動作を録画している。撮った動画の一部はTwitterで公開もされている。

(2020年3月3日 カメラの前で投げる佐野太河)

「毎回テーマをもって練習しています。例えば体の開きだったり、フォームと感覚の確認のためですね。Twitterに動画をアップしているのは、当初は見てほしいっていう思いがあったんですが、成長の記録として残すためでもありますね。フォームをしっかり意識すれば精度も上がってくると思います」

周りの選手ともコミュニケーションを取りながら練習をしている。キャッチャーからはどのようなボールの変化をしているのか、どの高さに入ったのかなどを確認してもらっている。

藤江均コーチからも投球フォームや下半身強化なども指導を受けている。

(2020年2月14日 佐野の投球を見つめる藤江コーチ)

ある日の一幕。藤江コーチがもう少し腕を上げて投げてみるのはどうかと佐野に提案していた。「俺もやったことないからわからへんけどいろいろ調べたり(ほかのナックルボーラーの)動画見た感じやねんけどな」と言いながらも下半身の使い方などをアドバイスしていた。試行錯誤はいろいろ続いている。

「今はいろいろやってみて試しています。だめなら戻せばいいですし、自分にとって何がいいかを見極めたいです」

今季の目標と決意

話はワールドトライアウトに戻る。その時は対戦した打者すべてがすごいと思ったという。
「白根尚貴さん(四国IL愛媛コーチ)や速水隆成さん(BCリーグ群馬)にはいいと思ったナックルも打たれました。スイングスピードもすごかったです」

登板したオープン戦も初登板は四球から大量失点を喫した。だが、そのあとの登板は無失点に抑えた。
「大学とかと比べるとやはりレベルが高い世界だなと思いました。でも、ストライクを入れることができれば、勝負できると思います」

現在は制球力の向上、そして、緩急をつけるための「2種類目のナックル」を実戦で使えるように磨いている。
「まだ打者とそれほど多く対戦していないので、先発して多くの打者と対戦したい。目標は最多勝です」

その目標の先にはNPBやMLBを見据えている。ボールは揺れても志は揺れずに前人未到の境地を佐野は進んでいく。

※日本のフルタイムナックルボーラーの例
NPBでは98年から2年間大阪近鉄バファローズに所属したロブ・マットソン、07年に広島東洋カープに所属したジャレット・フェルナンデスがいる。

佐野投手が選ぶ さわかみ関西独立リーグ この選手がすごい!

●堺シュライクス2年目の投手…練習の最後のキツい走り込みをしっかりこなしている

佐野太河投手プロフィール
1998年11月16日生まれ 右投げ右打ち
浜松南高―千葉大学―堺シュライクス

(文・写真 SAZZY)

さわかみ関西独立リーグ和歌山ファイティングバーズの西河洋樹と杉本大樹【sideP】後編

前回に続き、和歌山ファイティングバーズのキャプテン、西河洋樹捕手(右)と杉本大樹投手(左)のインタビューをお届けします。この日のやりとりで、杉本投手のニックネームが「ウサギ」に仮決定しました。杉本投手が「ウサギ」と言われるその理由とは……?

 

【5】オフの過ごし方

 

杉本「理想のオフは、のんびりすること。でも実際のオフはアルバイトをしています」

西河「僕もアルバイトですね」

 

西河「だから私服らしい私服もないですね。いつもジャージかスウェットにパーカーって感じです。どこか出かけるとなったら、ジーパンにパーカーを着ます」

 

杉本「どっか出かけることなんてあるん?」

西河「あるって!」

 

西河「今日着てる服みたいな感じの服を着ています」

杉本「いやいや、今日はインタビューを気にしてキレイなの着てる方ですよ。いつもはもうちょっとヨレてますよ」

 

西河「いやいやいやいや、だいたいこんなんです。僕、私服に無頓着なんですよね。大学の時に一回、私服を勉強しようと思ったんですよ、大学デビューしようとして。無理だとわかったんで、あきらめました」

 

杉本「なんなん、私服勉強するって……笑」

 

杉本「たとえばバーとか、ちょっとオシャレなところに飲みに行くとき、ふつう服に気をつかうじゃないですか?僕が準備して部屋を出て、西河さんをふと見たら、こんな服で立ってるんですよ。西河さんはそのままのかっこうで行きますからね」

西河「僕は誰に見られてるとか、あんまり気にしないもんで……」

 

杉本「とはいえ、あんまり飲みにも行かないですけどね」

西河「兵庫や大阪みたいに、飲めるところたくさんないもんね」

杉本・西河「野球に打ち込める環境ではあるよね」

 

西河「最近は、コロナウイルスの影響でみんなで出かけることもできないので、近場で釣りをする選手が多いですね」

 

※実際に和歌山の選手にアンケートを取ったところ、多くの人が趣味を釣りと答えました。

 

 

【6】チームメイト

 

 

西河「基本的に、チームはみんな仲がいいです。杉本と一緒にいることが多いですけど、ほかの選手とも楽しくやってます。僕はキャッチャーなんで、とくにピッチャー陣とよく関わりますね」

 

杉本「チーム内で一番長く一緒にいるのは西河さんです。試合でも練習でも、ほぼ西河さんにボールを受けてもらっています。寮やブルペンでは、どういう風なリードをしてほしいか、といった話をしたりしています。でも西河さんにホメられることは基本的にないですね。『調子に乗るから』って言われます」

西河「ホメませんね!(断言)」

 

(調子に乗っているときの杉本投手)

 

西河「杉本とはいっつもこんな感じです。ケンカ寸前までいくこともあるぐらい、こんなやりとりをしています。こういう関係性は、杉本とだけですね。ふたりで絡んでいるときは、他の選手たちはやりとりに入ってこないです。まぁ相手をしてあげないと、杉本はさみしくて死んじゃいそうなので……」

 

杉本「僕から西河さんに絡みに行ってるみたいな言い方ですけど、西河さんもけっこうこっちに来ますからね」

 

西河「かまってあげないと、杉本が離れたところからジッと見てくるんですよ。それであとからふてくされるんです。嫉妬の多いウサギやなぁ。もう、ニックネーム『ウサギ』でええんちゃう?」

 

杉本「勝手に言っとけばいいやん、もう!」

 

【とっておきの1枚(高校時代)】

藤井学園 寒川高校時代の杉本投手。

 

 

小学生のころの西河捕手。野球チームでの写真。

 

 

【取材後記】

笑いが絶えず、関係性のよさが見えたインタビュー。そして、チームの雰囲気のよさも感じたインタビューでした。

 

「このインタビューが終わったらすぐ、大ゲンカですよ。後ろの『頂』がバリバリに割れているぐらいもめますね」と言う西河捕手に対し「大丈夫です、僕の方が強いんで!」と返す杉本投手のやりとりで、この日のインタビューは終了しました。

 

仲が良いのか悪いのかわからないふたりの様子を、河原監督は「ハッピーセット」と呼んで頬を緩めているのだとか(田所球団代表談)。

 

球場でふたりに会ったら、どちらがケンカに勝ったのか聞いてみてくださいね。

 

(そんなことを言いながらも、190センチという長身の杉本投手のために、カメラの位置を調整してあげる西河捕手)

 

さかたえみ

写真 さかたえみ、選手提供

さわかみ関西独立リーグ2020年シーズンについて

延期しておりました、さわかみ関西独立リーグ2020年シーズン開幕戦は6月13日(土)に実施することを決定致しましたのでお知らせ致します。

・開幕試合日時:

6月13日(土)
対戦:兵庫ブルーサンダーズVS堺シュライクス
球場:三木防災
時間:12:00

6月14日(日)
対戦:堺シュライクスVS和歌山ファイティングバーズ
球場:南港
時間:12:00

6月14日(日)
対戦:06ブルズVS兵庫ブルーサンダーズ
球場:花園
時間:12:00

 

・大会方式の変更について

変更前:各球団ホーム&ビジター計96試合

変更後:各球団ホーム&ビジター計60試合

雨天の振り替え日は設けません。

 

・試合日程についてはこちらからhttp://develop.kandok.jp/bflschedule/

・さわかみ関西独立リーグ観戦対策について原則、観客有として試合は行うが球場の方針により無観客試合となる場合がございます。

・各球団の観戦ルールについて6月中の試合観戦では、マスク着用、アルコール消毒を行っていただきます。また、万が一に備え入場する際に個人情報の記入(氏名、住所、連絡先など)を行っていただきます。

兵庫ブルーサンダーズ 現時点では兵庫球団主催の公式試合(6月中)は無観客試合とします。

06BULLS マスク着用、消毒の徹底、検温を実施します。

和歌山ファイティングバーズ 現時点では和歌山球団主催の公式試合は当面の間、無観客試合とします。

堺シュライクス マスク着用、消毒の徹底を実施します。

・各球場利用案内は下記にてご確認ください

くら寿司スタジアム堺 https://shisetsu.mizuno.jp/m-yakyuu-0001
田辺スポーツパーク http://www.city.tanabe.lg.jp/sports/
花園セントラルスタジアム https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000007052.html
三木防災公園 http://www.hyogo-park.or.jp/mikisougou/
黒田庄ふれあいスタジアム・津門中央公園野球場https://www.nishi.or.jp/soshiki/01760046/0188004628/018900462810/index.html

 

さわかみ関西独立リーグ事務局

さわかみ関西独立リーグ和歌山ファイティングバーズ 杉本大樹【side B】

新型コロナウイルスの影響で開幕延期―
前代未聞の事態に、今選手たちは何を思っているのか。
オンライン取材で今、過去、そして今後のことを聞いてみました。
第2回は和歌山ファイティングバーズの杉本投手をピックアップ!

 

苦すぎた初登板

2019年6月22日。堺シュライクス対和歌山ファイティングバーズの一戦。チームが同点に追いついた6回裏に出番は突然やってきた。住之江公園野球場で「杉本」の名前がアナウンスされた。まだチームのホームページにも名前が掲載されていない投手の登板。球場は騒然となった。

190センチの高身長が住之江公園野球場の独特な色味の照明に照らし出される。ユニフォームは間に合わず、入団予定だった外国人選手のもの。スタンドには香川から父親が観戦に訪れていた。

しかし辻田寛人に四球、鶴巻璃士の犠打の後、辰巳大晴にタイムリーを浴びた。そして中道勝士を敬遠。打席にはJ・J(ジュリアン・ジョンソン)を迎えた。

無心に投げ込んだストレートは、打った瞬間それとわかるホームランとなり、レフトの場外へ消えていった。

「こんな入団してすぐ投げられるとも思ってなかったんですが、やはり高校と大学の時ともレベルは違いました。外国人選手とも対戦したことはなかったですし、ストレートも自信があったんですが、あんな簡単に飛ばされてしまいました。まだまだ自分の力不足だなと思ったのと、球場の雰囲気も、早い段階で経験できたことはよかったのかなと思います」

杉本大樹の初登板は苦く、そして教訓として今も心の中で生き続けている経験となった。

 

(2019年6月22日、初登板のマウンドに立つ杉本)

 

 

まだ伸びる

「大学4年の春に神宮大会のメンバーにも入れなかったので、どうしようかと思っていました」

プロを多数輩出してきた日本文理大。その当時は投手専門の指導者もいなかった。6月、球団関係者の前でセレクションを受けた。結果は合格。晴れて和歌山ファイティングバーズの一員としてユニフォームに袖を通した。日本ハムファイターズでリリーフやクローザーとして活躍した川原昭二監督が率いるチームだ。

「川原さんに教えてもらいながら、今まで自分でも気づかなかった課題や考え方を知ることができました」

下半身の使い方、内転筋の使い方、力の入れどころ、上半身と下半身の連動方法を一から教わった。意識をして練習に取り組んだら遠投の距離が伸び始めた。そこから球速が伸びてきた。今年に入ってから取り組んだ課題が目に見えて実感として見えてきた。

「今年から入団してではなく、去年から取り組み始めてできてよかったと思います。川原監督からは『もっとうまく(下半身を)使えるようになったら、球速があと5キロは軽く伸びるぞ!』と言われています」

フォームも変わり、自信のあったストレートはシーズン中、少し球速が落ちてきていたそうだが、今年に入り、コンスタントに強いボールが投げられるようになってきた。昨年からの積み重ねがようやく花開こうとしている。

 

 

監督直伝のトレーニング法

現在和歌山ファイティングバーズの練習は、少人数で集まって行うこともあるが、個人での練習が占める割合が高い。それでも練習量を落とさないように工夫をしている。

「ランニングと腹筋。寮にバーベルとシャフトとがあるのでジムに行けないぶんウエイトトレをしています。あとシャドウピッチングは1日絶対50回やろうと決めています」

それだけでも普通にしんどそうだが、それに加えて、あるトレーニング方法を取り入れている。

「なわとび1000回ですね。200回を5セットみたいな感じでやっています。監督が現役時代に夜中にやっていたと聞いたので、マネをしてみようと思い始めました」

なわとび1000回。なんだか簡単そうにも見えてしまうが、試しにやってみたところ、跳び続けるだけでもなかなかにつらい。それを毎日続けてこそ、川原監督のような成績も残せるものなのだろう。

※1983年、ファイターズに所属していた川原監督はリーグトップの59試合に登板。うち先発が2試合ながらもチームトップの145回2/3イニングを投げ、同じくチームトップの11勝を記録。翌年には14セーブを挙げるなど、89年の引退までファイターズのブルペンを支え続けた。

 

 

今季の目標と決意

 

「まだ先発するか抑えをするかというのは言われてないんですけど、どこでも投げても抑えられるようにしたいです。先発なら最優秀防御率と最多勝、奪三振のタイトルは取りたいと思ってやっています」

そのためにはまだスピードやキレ、コントロールを2段階は上げないといけない。見据えるのはNPBからのドラフト指名だ。

「いつ開幕してもいいように今を大事にしないといけないと思います。去年より今年のほうが田辺の人に応援されたり、声をかけられることも増えてきました。田辺の人たちは温かいので、元気を与えられるように頑張りたい。そのために優勝して・・・田辺で優勝決定戦とかやったら盛り上がると思いますし、応援してもらえるようにやっていきたいです」

取材中、杉本の後ろに「頂」と書かれた書物があった。これは小学生のころ自分で書いたものを今も部屋に飾っているものだ。チームとしても、個人としても頂を目指し、開幕に、シーズンに備えていく。

 

(リモート取材中の一幕)

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杉本投手が選ぶ さわかみ関西独立リーグ この選手がすごい!

松本昌大(和歌山)・・・どこに投げてもストライクゾーンに入れば芯に当てて打たれた。今年は味方なので頼もしい
草間サトル(06)・・・打者に向かっていく気持ち・姿勢・闘争心がすごい

杉本大樹投手プロフィール

1997年4月24日生まれ 右投げ右打ち

寒川高―日本文理大―和歌山ファイティングバーズ

2019年成績 4試合 0勝1敗0S 防御率36.00

(文・写真 SAZZY)

さわかみ関西独立リーグ和歌山ファイティングバーズの西河洋樹と杉本大樹【sideP】前編

今回インタビューに答えてくれたのは、和歌山ファイティングバーズのキャプテン、西河洋樹捕手(右)と杉本大樹投手(左)。

同じ寮に住んでいるという理由から、ふたり一緒にインタビューをおこないました。プライベートでも仲が良いというふたりの、さながらケンカ漫才のようなやりとりを、今週と来週2回に分けてお届けします。

 

西河洋樹(ニシカワヒロキ)

birthday:1993.11.15

blood type:AB

height:175cm

weight:77kg

foot size:28cm

favorite color:青

favorite animal:ねこ

nickname :ひろき

dobutsu_uranai:ゾウ。勤勉実直な、堅物だが純粋な人

 

杉本大樹(スギモト ダイキ)

birthday:1997.04.24

blood type:O

height:190cm

weight:94kg

foot size:29cm

favorite color:赤

favorite animal:犬とライオン

nickname :(ウサギ?)

dobutsu_uranai:コアラ。宴会好きな夢追い人

 

 

【1】お互いの印象と自己分析

(幼稚園の頃の西河選手)

杉本「西河さんは優しい人です。ただ、野球や自分自身に対しては厳しいと思います。僕たちが相談をすると答えてくれるし、練習にも付き合ってくれるんですが、それって自分の練習時間が削られるということですよね。でも限られた練習時間で、自分自身のできることを考えて実践しているという気がする。尊敬しています」

西河「杉本はすんごい『かまってちゃん』です。たいてい僕の後ろか横にいます。さみしがりやで、一人だとさみしいんです」

杉本「え!!そんなこと言うなら、僕もさっきの発言取り消します。かまってあげないと西河さんがちょっとさみしそうな顔をするから、僕が西河さんをかまってあげてるんです!」

(それからしばらく「よく言うわ」「そっちこそ」と、小学生男子のように言い合うふたり)

 

(幼いころの杉本大樹投手)

西河「自己分析ですか……自分では自分のことをドジだと思いますね。しっかりしていると言われますけど、抜けてます、いろいろと」

杉本「僕はひとりでいるのが苦手です。休みの日にひとりでいるのなんて無理です。ひとりでいるのは、寝たいときぐらいですね」

(やっぱりさみしがりやなんやん…)

 

【2】スポーツメーカー

西河「メーカーにこだわりはないですけど、グローブの形にはこだわっています。野球道具を見るのがすきで、いいなと思ったものを買ったり、オーダーしたりしていますね。

自分でグローブのひもを変えたり、メンテナンスをしたりするのもすきです。自分の形にしておきたいんです。キャッチャーミットとかも、だいたいいつも同じような形にして使います」

 

(杉本投手のグローブ)

杉本「高校大学はゼット、和歌山に来てからはミズノさんを使っています。僕は『このメーカーがいい』と思ったら全部揃えちゃうタイプ」

 

【3】アルバイト

杉本「休日は、農家さんでアルバイトをしています」

西河「僕も農家さんで働いています」

杉本「西河さんが働いている農家さんと、僕がお世話になっている農家さんが友だちなんです。だから僕が仕事に行ったら『西河は何しとるんや~?』と聞かれたりします」

(めっちゃ仲良しやん……)

 

 

【4】アニメや映画

杉本「この前観たのは……バイオハザード。バイオハザード観たよな?」

西河「バイオハザードはおすすめじゃないやろ……」

杉本「僕の部屋で何人かで観たんですよ、バイオハザード。僕、ホラー系があんまりすきじゃないんですけど、西河さんが無理やり見せてきたんですよ。でも映画の途中でわざわざ部屋を暗くしてきたり、いきなり脅かしてきたりするんで、西河さんと一緒に映画観るのはすきじゃないですね」

 

西河「もしホラー映画がすきなら『IT/イット』がオススメですね。ほかにもいろいろ観ますけど、アニメが多いです。『ダイヤのA(エース)』、『ハイキュー!!』、『黒子のバスケ』とか。ハイキューは見返したりもします。『五等分の花嫁』と『ソードアートオンライン』はすごく面白いですよ」

杉本「ワイルドスピードがすきです。あとはクリード。アクション系がすきですね。バイオハザードとかのホラー系は、誰かと一緒に見るなら大丈夫(笑)」

ふたりのインタビューは、後編へ続く……。

さかたえみ

文・写真 さかたえみ、選手提供

さわかみ関西独立リーグ和歌山のキャプテン 西河洋樹【side B】

新型コロナウイルスの影響で開幕延期―
前代未聞の事態に、今選手たちは何を思っているのか。
オンライン取材で今、過去、そして今後のことを聞いてみました。
第2回は和歌山ファイティングバーズの新キャプテン、西河捕手をピックアップ!

まだ野球ができる

 

「結果が出なければ野球を辞めないといけないかと思っていたんですが、『まだ野球ができるんだ』と思えた1年でした」

名門クラブチームNOMOベースボールクラブを退団し、トライアウトを受け和歌山ファイティングバーズに入団した西河洋樹。チームの中軸としてチームトップのホームラン4本を放ち、リーグ選抜ではオリックス戦でホームラン、通算でもNPBの投手相手に打率.375もマーク。打者として、キャッチャーとしても十分すぎる成績を残したが、それでも西河がシーズンの終わりにそんな思いを持ったのには理由がある。

「だって開幕戦でホームランを打つまで、これまでの野球人生でホームランというホームランを打ったことがなかったんですから」

 

運命を変えたひと言

高校時代はショートを守っていた。大学時代とクラブチームの時に短期間キャッチャーを守った。2018年11月、トライアウトを受けるにあたり、よりチャンスを掴むためにキャッチャーで勝負することにした。

 

(撮影:@fbbsbush

 

「独立リーグには前々から興味がありました。もちろんNPBに行くために近道になるかなという思いはありましたが、活気があっていいなと思いました」

トライアウトに合格し、和歌山ファイティングバーズへ。そこで開幕までの間に、西河は自分のバッティングを大きく変えることを決意した。

 

「誰に教わったとかではないですけど、メジャーリーグの動画とかを見てバッティングフォームを変えてみました。そうするとだんだん良くなってきて。開幕戦前に川原監督に『力が入りすぎているから抜け』と言われて、打席に入る前にフーッと深呼吸するようにしたら、ボールが本当によく見えるようになって打てるようになりました」

 

昨年の開幕戦、3点を先制された3回表。花園セントラルスタジアムのファンはまだ永田雅樹(06ブルズ)のホームランに沸いていた。その興奮冷めやらぬ中、西河はプロ初打席に立った。草間サトル(06ブルズ)のボールを引っ張りこんだ。これが「初めて打ったホームランらしいホームラン」だった。

 

その後もホームランを打ち、前半戦はホームランランキングを争った。怪我人の出る中、「かつての本職」である内野を守ったり、守ったことのなかった外野手も経験した。リーグ選抜も毎回のように選出された。

「守備は全然問題なく入れました。バッティングは後半ガタガタってきちゃったんですけど、本当にここまでできるなんて思っていなかったです。だから今年はできるところまでやってやろう思ってます。やるからにはホームラン王になってみたいなと思います。目指せるなら、目指すところまで行きたいと思います」

 

(2019年7月25日 リーグ選抜戦で打席に立つ西河)

 

埋められない差はない

2019年5月15日、オリックス・バファローズのファームチームとの対戦。西河は9回に漆原大晟からホームランを放った。そのことを振り返ってこう語る。

 

「投手のスピードやキレは今まで見たものとは全く違うものでした。打った感触も今まで感じたことのない感触でした。ただ、しっかり振って当ててホームランにできているので、到達できないレベルではないのかなと思います」

 

クラブチーム時代には別の独立リーグや社会人のチームとも対戦している。

「技術はともかく、少なくとも力の差はほとんどないと思っています。自分がどこを目指してやっているか、どこに気持ちを置いているか、メンタルの差ですね。相手がプロでも超えられないことはないと思っています。同じ人間なんですから」

 

(2019年6月5日 ロッテ浦和球場にてブルペンから戦況を見つめる)

 

今季の目標と決意

今季からチームのキャプテンにも就任することになった。

「今季から運営会社も変わりましたし、これからもずっと続いていくチームだと思っています。だから今年は応援してくれる人や、地元、地域に愛されるように、活気のあるチームにしていきたいです。そのためにはもちろん勝たないといけない。勝つために個人としてはホームラン王を取りたい。チームとしては優勝が目標です」

 

オープン戦、ファイティングバーズは非常に好調だった。「野球をやるしかない」環境であることもあるが、「地域のために野球をやる」という意識が浸透していることも好調の要因だろう。西河本人が体現したように「超えられない壁はない」のだ。優勝を狙うチームの中心として今も限られた時間の中でトレーニングを続けている。

 

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西河捕手が選ぶ さわかみ関西独立リーグ この選手がすごい!

 

  • 小山一樹(兵庫)・・・同じキャッチャーとして打撃も肩もすごい。見てても打ちそうな雰囲気がある。
  • 吉田亘輝(堺)・・・コントロールとスライダーがいい。去年何度も対戦してライバル心を持っている。どこまで成長するか期待したい。
  • 蜂谷崇紘(和歌山)・・・とにかく肩がすごい。肩だけならリーグ1だと思う。肩きっかけで興味を持ってあげてほしい。

 

西河洋樹捕手プロフィール

1993年11月15日生まれ 右投げ右打ち

三田松聖高―兵庫大学―NOMOベースボールクラブ―和歌山ファイティングバーズ

2019年成績 43試合 打率.285(158-45) 4本塁打  18打点 盗塁14

 

(文・写真 SAZZY

さわかみ関西独立リーグ06ブルズの大砲、永田雅樹【side P】

06ブルズ若き期待の大砲、永田雅樹。まだあどけなさが残る20歳。永田選手の、side P(プライベート)を探ります。

 

(PHOTO BY すだこ

 
永田 雅樹(ナガタ マサキ)
birthday:1999.12.07

blood type:B

height:175cm

weight:92kg

foot size:27.5cm

favorite color:赤

favorite animal:犬

nickname :せごどん

dobutsu_uranai:狼。誠実で律儀な超変わり者

 

【1】自己分析

 

自分では自分のことを「よくわからん人間」だと思います。

 

たぶんチームメイトからも「何を考えているかわからない」「悩み事がなさそう」と思われているんじゃないですかね。実際にぼく、あんまり深く考え込まないので、悩み事ってないですね。

 

いい意味で、なんでも適当なんです。

 

 

【2】スポーツメーカー

 

 

スポーツメーカーに特にこだわりはありませんが、今使っているグローブは「スラッガー」です。軽いところがいいです。

 

私服はゆったりめのものを着ます。ゆったりしてて、お腹が出ない服ですね(笑)

アウトレットが好きなんで、ドライブがてら竜王(滋賀県)まで服を買いに行ったりもします。

 

【3】アルバイト

 

運送業と居酒屋でアルバイトをしてます。個人宅に配達するのではなく、工場へ配送する仕事です。

 

(コロナウィルスの影響で運送業は大変だと言われていますが)ぼくのところは今のところ、忙しすぎたり仕事がなかったりとかはありません。

 

【4】ホラー映画

 

ホラー映画をよく見ます。

 

オススメは「エスター」です。エスターはほんと、スキな映画ですね。

あとは「パージ」かな。お化けの怖さじゃなくて、人間の怖さを扱っている映画です。1年に1日だけ、すべての犯罪が合法化されるアメリカのお話なんですよ。

 

ぼく、こわくてこわくて、怯えるのがスキなんです(えへへと照れ笑い)

 

【5】オフの過ごし方

 

(PHOTO BY すだこ

 

アルバイト以外はみんなで遊びに行くことが多いです。

麻雀……ボウリング……カラオケ、夏だったら海にも行きますね。

 

中でもボウリングがスキかなぁ。ぼくと奥田さん(奥田一弘選手)、昨シーズンで引退した上村(健斗)さんと退団した山口(魁斗)さんで、夜通しボーリングに行って47ゲーム投げたこともあります。翌日、右腕がパンパンになりました。

 

スコアは最高250ぐらいですかね。これでもまだまだなんです。上村さんと山口さんがおそろしいほど強くて、270オーバー出したこともあるから。ぼくは修行させてもらってます。

 

 

(「それだけ投げて、その日練習に差し支えなかったんですか?」と聞くと「差し支えは……ありましたね……」と、きまりの悪そうな顔をしながらも、懐かしそうに振り返っていました。)

 

【6】チームメート

 

 

あ!この前、成人式だったんですよ!その日はたくさんお酒を飲みました。成人してからは、よく飲みにも行きます。

 

お酒はスキで、けっこう強い方だと思います。出身地が鹿児島なので焼酎と言いたいところですが、好きなお酒は生中です!

 

よく飲みに行くのは白戸(颯)さんと山口さんですね。その他にも色んな人と飲みに行きます。

一番いっしょにいる時間が長いのは、白戸さんです。白戸さんとは宅飲みもしますね。試合の後だったら、試合を振り返って反省会をしたりもしますけど、楽しく過ごしたいから基本はふざけた話ばっかりしています。「あそこの店の店員さんが可愛かったなぁ」とか、そういうとりとめのない話ですね(笑)

 

 

【とっておきの1枚(高校時代)】

 

 

高校3年生の夏、野球部を引退した次の日に、友だちと海に行きました。

当時の体重は70kg。現在92kgなので約20kg増量したことになります。

 

【取材後記】

インタビュー中、チームメイトの名前を次々に挙げては、人懐っこい笑顔を見せる永田選手。自分では「まわりのみなさんにお世話になっているだけ」と否定しますが、周囲からかわいがられる愛されキャラです。会話に混じる鹿児島弁のイントネーションも、親しみやすさを感じる理由のひとつかもしれません。

 

 

打席に立つ永田選手は、プライベートとは打って変わって精悍な顔つきを見せます。

打席で見せる真剣なまなざしを確かめに、球場へ足を運んでみませんか。

 

(文:さかたえみ 写真:さかたえみ、すだこ、永田選手提供)