2020年1月、関西独立リーグは、一般財団法人さわかみ財団(以下さわかみ財団)とネーミングライツ契約を締結しました。今シーズンは「さわかみ関西独立リーグ」として始動します。
そこで今回は、さわかみ関西独立リーグの代表理事を務める仲木と、さわかみ財団代表理事である澤上篤人さんの対談をおこないました。
プライベートでも親交の深いお二人。ネーミングライツ契約締結までの経緯と、さわかみ関西独立リーグの今後について、熱く語っています。
(文:さかたえみ 写真:さかたえみ、SAZZY)
東京の親父と息子の信頼関係
–澤上さんと仲木さんは旧知の仲だということですが、お二人の関係はいつから始まったんでしょうか?
さわかみ投信(株)に、仲木が履歴書持参で飛び込んで来たのが、そもそものはじまりだね。その場で採用を即決した。
決め手は、関西大学でバスケのキャプテンをやっていたという一言。私も大学でサッカー部のキャプテンをした経験があり、おもしろいと思った。
そおそお!確か16年前、2004年の9月頃です。澤上さんとの面接時間は5分!
で、面接後にニヤッと笑って「時間あるか?」と席を立たれましたね。
戻ってこられた時には、両手に発泡酒を2本持ってきて「呑もう!」って。どこのメーカーかよう分からん発泡酒でした(笑)あの発泡酒は不味かった……。
–面接時間5分ですか!ビビビときた出会いだったんですね。発泡酒のメーカーが気になります(笑)
その出会いから16年。ビジネスパートナーとして、今お互いにどのような印象をお持ちでしょうか?
仲木は直感が鋭く、いつでも全体像を把握しようとする人間だね。行動力があり、すぐすっ飛んでいくスピード感も抜群。グダグダのおしゃべり抜きで、物事の核心に迫れるから、お互い話が早い。
人間として大切にしていることが近いんやと思います。さわかみ投信時代は、5年ほどカバン持ちのようにほぼ毎日一緒に行動してたんで「一挙手一投足」すべて学ばせてもらいました。学ぶというより、真似る、「全部視る」って感じです。
パートナーというより、澤上さんは東京の親父みたいな存在ですよ、ほんまに。それでも、違うことには違うと、率直に意見させてもらうこともあります。当たり前ですが、事を成すために遠慮は必要ないですから。
関西独立リーグへの支援は、信頼の証
–さわかみ財団は、理念として6つの挑戦を掲げておられ、そのひとつに「スポーツの文化をつくる、育てる」があります。関西独立リーグへの支援もその一環ですよね。
ほかにも独立リーグや球団が多くある中で、関西独立リーグを支援されたのは何故でしょうか。
たまたま仲木がやっていたのが関西独立リーグだから、手伝おうかとなった。
いやー、ほんまにありがたい。まずはやってみようって、信頼されているってことなんで。
だからこそ私は、さわかみ関西独立リーグの運営は、信頼されるに足る人間たちとやっていく。そう決めています。
さわかみ財団の理念と一致した関西独立リーグへの支援
–お二人の信頼関係に加えて、地域社会と密接な関係にある独立リーグへの支援は、さわかみ財団の理念と一致すると思います。(さわかみ財団は、理念の一つとして、「地域社会の自立促進および活性化に関する啓蒙・指導・助言業務」を掲げている)
さわかみ関西独立リーグと地域との関わりについて、どのようにお考えですか?
地域経済や社会の活性化は、「地元の人間が、地元のお金を使って」が原則。さわかみ関西独立リーグでも、どれだけ地元の人たちを巻き込んで「盛り上がりの輪」を広げていけるかが問われる。
選手たちも野球が好きで打ち込むのは当然として、日ごろの生活でも地域とのつながりを積極的に求めていくべし!
私はリーグ代表になったとき、リーグの理念を3つ掲げました。
その筆頭が “球道無限”。野球を究める求道者という意味です。選手は求道者たれ!と。
2つ目が、自立した野球人たれ”
さまざまな形での応援があるからこそ自分たちは野球ができるということ、野球人・アスリートも社会というチームの一員であるということ、このことを肝に銘じて欲しい。
そして3つ目が“グローカル”。グローバルとローカルを掛け合わせた言葉です。
これからますます選手や球団、リーグが地域に貢献するためには、世界中のマーケットを意識した、グローバルな展開が必須になってくるでしょう。
例えば、豪州のチームや、まだ野球先進国ではないフィリピンやインドなどで構成された東南アジア球団などがあれば、ワクワクしますよね。
個性を自由自在に発揮して、集団のパワーを見せつけてほしい
–今後のさわかみ関西独立リーグに対して、澤上さんが期待することは何でしょう?
日本は何もかも一律にしたがるし、組織での序列にしがみつく習慣が根強い。そういった、型にはめたがる一元組織から飛び出た人間たちの集まりが、独立リーグ。
それぞれの個性を自由自在に発揮する、集団のパワーというものを、世に見せつけてやりたいものだね。
ハハハ、澤上さんらしい発言です。
私がこのリーグの代表になって、今シーズンで5期目になります。存続さえ危ぶまれていた状況で就任しましたが、ご支援のおかげもありなんとか持ちこたえてきました(笑)
地域の人に愛され、誇りに思われる人間たれ
–最後にお二人からメッセージをお願いします。
2019年の12月頃に「あっ、これならいける!」と手応えを感じ「“さわかみ関西独立リーグ”として応援してください」と提案させていただきました。
手応えの理由は、信頼できる事務局スタッフが揃いつつあるということ。そしてリスペクトできる経営者が球団運営に参画してくれたこと。これが非常に大きい。
一人は、昨シーズン(2019年)堺シュライクス(堺市)を立ち上げ、リーグに参入してくれた松本さん。
もう一人は、尹さん。かなり厳しい状況下にあった和歌山ファイティングバーズ(田辺市)に、シーズン終盤から多大なご支援をいただきました。そして新生和歌山ファイティングバーズとして、球団運営を決断してくれた。
彼らとの最初の出会いは、今でも鮮明に覚えています!
堺シュライクス、和歌山ファイティングバーズ、そしてずっとこのリーグを支えてきた兵庫ブルーサンダーズ(三田市)、大阪06ブルズ(東大阪市)とともに、澤上さんの期待以上の勢いをお見せします!
野球に限らず、すべて結果のみ。どう汗を流して、どんな結果を出したかでもって、世の中は人を判断する。結果といっても、(世間は)試合や年間の成績だけを見ているのではない。
さわかみ関西独立リーグの頑張りようは、チームとしても個人としても、毎日見られているということだ。チームや個人、リーグの頑張りようも結果の一部。
ともかくも、地元の人たちに愛され、地元の人たちの誇りとなるよう、一人一人が意識して頑張ってほしい。
一般財団法人さわかみ財団
所在地 〒102-0082 東京都千代田区一番町29番地2 4階
設立 2009年10月23日
事業内容 社会貢献事業等