新型コロナウイルスの影響で開幕延期―
前代未聞の事態に、今選手たちは何を思っているのか。
オンライン取材で今、過去、そして今後のことを聞いてみました。
第2回は06ブルズ期待の長距離砲、永田内野手をピックアップ!
ひょんな縁から関西へ
縁とは不思議なものだ。鹿児島の野球少年だった永田雅樹を東大阪に連れてくるのだから。なぜブルズに入団したかを聞いたら、驚くべき答えが返ってきた。
「小学生の時に鹿児島のゴルフ場でバッティング練習してたんですよ。そしたら『俺野球やってたからバッティング教えてやろうか』っていうおじさんがいて。
そのおじさんと知り合いになって、その方が村上さん(村上隆行前監督)の知り合いで。で、野球の進路を決めるときにバッティングを教えてもらうなら村上さんがいいという話になって、ダメもとでトライアウトを受けたら合格しました」
知り合いの縁でブルズにたどり着くのもすごいが、その『野球をやってたおじさん』とは、大洋、ロッテ、オリックスで活躍した元プロ野球選手・斉藤巧さんだったという。当時、鹿児島でクラブチームのコーチを務めていた記録がある。
10年前あたりから永田少年が東大阪にやってくる運命の歯車が回り始めていた。
課題と目標
2019年3月31日。関西独立リーグ初戦。2回裏、チャンスで回ってきた打席。
和歌山ファイティングバーズの先発・遠藤智騎(現BC福島)のボールを振りぬくと、レフトに高々と打球は舞い上がった。リーグ1号ホームランだった。
ブルズベンチが沸き立った。
(2019年3月31日 先制本塁打を放ち、ベンチ前で迎えられる永田)
その後も下位打線を担い、シーズンを通してリーグ4位の6本塁打を記録。19歳の若武者が残す成績としては十分すぎる成績だが、永田本人はこう語っている。
「1年目に長打が打てなくて、2年目の去年はもっと長打が打ちたいとなったんですけど、次はもっと確率を上げないといけないなと思いました」
打率.237はリーグ31位だった。それを3割に乗せたいと語った。
「今まだ開幕できていないのですが、普通に開幕していたら3割12本塁打を目標にしていました。できるのならば打撃タイトルはすべて取りたい。
白戸(颯)さんや出口(航平)さん、奥田(一弘)さん、孫入(優希)さん(現四国IL高知)さんにアドバイスをもらって、体を大きくしたり、細かい動きができるようにトレーニングをしています」
4番を打ちたい
一方で村田辰美監督、桜井広大打撃コーチからは別のことを指摘されているという。
「もっと自分が主軸を打つという自覚を持て、意識しろ、明確な目標を持てと言われ続けています」
過去2年にわたり4番を打っていた孫入が移籍。オープン戦もいろいろな打順が試されたが、クリーンアップは固まっていない。
「去年は『上位打線を打てるようにならなきゃだめだぞ』と監督やコーチに言われていたんですが、孫入さんがいなくなった今年は『4番を打たなきゃだめだ。いつまでも下(の年齢)だと思っていたらだめだ』と言われ続けています」
そして昨年は一塁がメインだったが、今季は三塁を守る予定だという。
「坂(克彦)さん(現BC茨城監督)に二年前いろいろ三塁の守備について教えてもらってたんですが、それを思い出しながら守備は練習しています」
一塁も三塁も、そして4番の座を狙うライバルもチームにはたくさんいるが、押しのけてこそ価値がある。
「4番打ちたいですね。チャンスにランナーが巡ってくるところで打ちたいです」
今季の目標と決意
(2019年3月31日 ホームランを放ち、笑顔で三塁を回る永田)
「結果を出す、勝負事には勝つ、ですね」
今年1月に成人式を迎えたばかりの若者が3年目のシーズンに向かう。
「バッティングだけは負けたくないです。全力でプレーするのでぜひ足を運んで見に来てください!」
来るべき開幕の日まで、己をしっかり磨き続ける。そうすれば、「4番サード・永田」のアナウンスが出迎えてくれるはずだ。永田のパワーが、打球が、人々を驚かせる日も、そう遠くない。
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永田内野手が選ぶ さわかみ関西独立リーグ この選手がすごい!
- 出口航平(06)・・・率も残せるし、パワーもある
- 白戸颯(06)・・・速い球を投げられるのがすごい
- 奥田一弘(06)・・・パワーもあって足もあって肩もあって守備もうまい
永田雅樹内野手プロフィール
1999年12月7日生まれ 右投げ右打ち
鹿児島城西高―06ブルズ
2019年成績 44試合 打率.237(156-37) 6本塁打 29打点 5盗塁
(文・写真 SAZZY)