6月23日06BULLSホーム開幕戦レポートVS堺シュライクス
新型コロナウイルスの影響でリーグの開幕が延期になり、ようやく迎えた6月23日。雲一つない青空の下、花園中央公園野球場で06BULLSホーム開幕戦がおこなわれた。当日の様子をレポートする。
心を砕いたコロナウイルス感染拡大防止策
(受付の様子 感染対策のため、ビニールカーテンを設置)
6月14日に南港でおこなわれた試合と同じく、この日も観客を動員しての試合。球場に足を運んだ人たちの安全を守るため、そして今後も有観客の試合を継続するため、06BULLSの関係者たちは、コロナウイルス感染拡大防止策に心を砕いた。
永峰要一球団代表(06BULLS)は防止策について、次のように語った。
「大阪の方針に従い、準備をしてきました。選手や監督をはじめ球場に入る関係者全員が、練習のときも毎回大阪コロナ追跡システムに登録するなどして、感染予防に対する意識は高かったと思います。球場とも頻繁に話し合いをし、調整を重ねてきました。今日だけでなく今後もお客様に来ていただいて試合を開催するためには、対策を徹底しなければなりません。」
06BULLSが球場でおこなった感染拡大防止策は、以下の通りだ。
・入場者数の制限
・グラウンド外でのマスク着用
・ソーシャルディスタンスの維持
・入場時の検温
・アルコール消毒
・大阪コロナ追跡システムへの登録
試合を支える運営スタッフは「お客様どうしの距離を保てるように席にテープを貼るなど、いろいろ工夫をしました。開幕が遅れてしまった分、選手たちは客様に全力プレーを見せてほしい。わたしたちは頑張る選手たちを、(運営という面で)支えたいと思います」と話した。
グラウンドに出入りするたびマスクを着脱する選手たちをはじめ、首脳陣、選手、スタッフ、試合に関わるすべての人が、感染拡大防止に努めていた。
「お待たせしました」のひとこと
(試合前、気合いを入れる選手たち)
続々と来場するファン。この日の入場者数はおよそ90人だった。
「お客様から、待ちに待ったという感じを受けました。わたし自身も、今季初めて会うファンの方の顔を見て、同じように感じます。」と言う永峰代表。
みんな、花園で06BULLSを見られる日を、遠足を待つ子どものようにわくわくして待っていたのだ。
試合前の村田辰美監督に、ファンの方へのメッセージを聞くと「『お待たせ!』ただ、そのひとことです。本当にお待たせしました。」と答えが返ってきた。
この日の青空にぴったりの、晴れやかな笑顔だった。
「お客さんが見ていてくれることで、選手たちもやりがいを感じているはず。ハッスルする姿、全力疾走する様子をお見せしたい。ふぬけたプレーには遠慮せずヤジをとばしてください!」
「昨年の成績からいくと、こちらに有利。しかし侮らず、勝ちに行きたい」
全力プレー
試合は7-4で堺シュライクスが勝利した。
堺シュライクス先発の吉田亘輝が15安打を浴びつつも、要所を抑え4失点完投。今季2勝目を挙げた。
永峰代表は「あれだけ安打数が多いのに、4点しか取れずに負けたことは、ある意味ブルズらしい試合だったと思います。しかし堺のチーム力の伸びがすごい。日ごろの練習の成果が出ているんだと思います。」と試合を振り返った。
一部、選手のプレーを紹介する。
06BULLS、花岡雄一
(撮影:すだこ)
1回表、堺シュライクスが鶴巻璃士のタイムリーと樋口勇次のホームランなどで、いきなり5点を先制。その後もフォアボールのあとに盗塁を決められ、ノーアウト2塁となった。このピンチを救ったのが、今年キャプテンに就任した花岡雄一だ。
7番バッター大友健史の難しいファーストファウルフライをナイスキャッチ。
8番佐藤将悟の三振の後、9番今井寿希也のファーストゴロを軽快にさばいて、守備で嫌な流れを断ち切った。
「初回に5点取られましたが、(ブルズの打線なら)5点ぐらい逆転できると思っていました。それにはまず、誰かが悪い流れを切らないといけなかった。その役目が自分だっただけです。」とキャプテンは振り返った。
2回以降、先発草間サトルは持ち直し、安定のピッチングを見せる。
06BULLS、出口航平
5回裏、一時は一点差に詰め寄る2試合連続ホームランを放った出口。少し詰まったように見えたが、ファンの声援にも押され、そのまま打球はスタンドに吸い込まれた。
「3回裏の満塁のチャンスで打てなかったので、4番の仕事ができたとは言えませんが、いい感触で打てました。また次につながる一本だと思います。慢心せず、謙虚に、一球一球全力で向かっていきたいです。」
06BULLS、永田雅樹
3回裏に満塁のチャンスで打てなかったことを「チャンスだったのに」と、悔しそうな表情を見せた永田。8回裏、レフト方向にヒットを放ち、全力疾走で二塁に突っ込んだ。
あとが続かず得点にはいたらなかったが、果敢に二塁を狙う姿勢に、観客席から拍手が起こった。
試合後、このプレーを振り返り「足、もつれちゃいました」とはにかんだ。
堺シュライクス、樋口勇次
初回、堺の今季チーム初ホームランを打った樋口。
「ホームランは狙っていたわけではありません。バッティング練習で悪かったので、ただただくらいついていった。入ってよかったです」
ファンへの感謝
「観客の前で野球をする」今まで当たり前だったことが、今では一つの試合が大きな一歩となっている。花岡雄一キャプテンは、自分たちを支えてくれるファンへの感謝をこう語った。
「平日の昼間にもかかわらず、たくさんの人が来てくれてうれしかったです。野球が好きで見に来てくれる人の存在が、本当にありがたいです。初めての人も、リピーターの人も、また来たいと思ってもらえるプレーをします!」
観客席にもっとたくさんの笑顔があふれる日まで。選手たち、関係者たちが一丸となって、一つ一つの試合を作っていく。
(取材、文:さかたえみ)