開幕に向けて練習に励む選手たちの様子を、4回にわたってお届けする企画。
2回目は、大阪府堺市に本拠地を置く堺シュライクスです。
この日は、試合と試合の合間の日。サインプレーについて確認しあう監督とコーチと選手たち。オープン戦も終盤。開幕を見据えて練習にも熱が入っていく。
練習を見続けていると、去年に比べ、チームは格段に明るくなった。新加入の樋口勇次が内野から声を出し続ける。走るだけでヘロヘロになっていた投手陣は笑いながら走り込みを続けるようになった。昨年までいた選手と今年から入団した選手のいい相乗効果が見える。
大西監督が見るチーム―去年より今年
―今年ここまでのチームを見ていかがですか?
大西監督「間違いなく去年より今年がいい。去年の今頃と比べたら、選手の意識であったり行動がチームとしてだいぶ成長している。去年から僕や藤江(均コーチ)が口酸っぱく伝えてきたことが、それがちょっとずつ数センチ数メートル浸透してきた。」
―注目の選手は
「キャプテンの丹羽竜次。大友健史も面白いし、大神康輔はオープン戦ずっとコンスタントに打ち続けている。もちろん投手なら吉田亘輝やけどね。」
「丹羽は去年の今頃は練習の態度とかもイマイチで『どうしたものか』と思っていた選手の一人だったけど、この1年間で人間的にも大きく成長したんじゃないかな?選手間での投票と首脳陣会議で決めたけれど、これなら任せられると思った。」
―堺での開幕を待つファンにメッセージを
「『堺シュライクス』というチーム名ながら、堺で試合ができなかったが、今年から地元堺で、監督コーチ、選手、そして去年から応援してくれていたファンの皆様と一緒に、愛される球団というところを目指してやっていきたい。そのためにはよくない試合はできないので、グラウンドでは厳しく、いいプレーを見せられるように、子供たちに夢のあるプレーを見せられるような選手を育てられるようにしていきたい。」
「完璧に抑えたい」-吉田亘輝
2019年シーズンは10勝を挙げ、最多勝のタイトルも獲得した吉田亘輝投手。
投手のまとめ役になることを志願し、練習中にも先輩後輩問わずにアドバイスを送り、課題をフィードバックしている。
―ここまでの調整は
「すごく順調です」
―昨年最多勝を獲得したが、1年目はどのようなシーズンだったか
「1年間そこまで投げることがなかったのでいろいろ考えることもあり、しんどいシーズンでした。10勝は挙げたが、自分で納得のいく投球ができたのは3試合ぐらい。ほとんど野手のおかげでした」
―ここまで投手陣の中心になるシーンが多くみられる
「去年1年終わって、オフになったときに『自分が引っ張らないといけない』と思い、年齢的に上にも下にも言いやすいと思うので、自分がまとめていこうと思いました」
(投手と捕手に意見を伝える吉田亘輝)
―今年はどのような投手になっていきたいか
「個人としてもそうですが、チームとして『投手の力で勝った』試合をもっと増やしたいと思います。個人としては圧倒的に、完璧に抑えるようになりたいです。奪三振以外の投手タイトルは全部取りたいです」
―ファンの皆さんに一言
「昨年は最下位でしたが、今年は優勝してファンの皆さんと喜びを分かち合いたいです。よろしくおねがいします」
松本祥太郎オーナーより
―今年のチームの印象はいかがですか
「去年から在籍してくれている選手が、ちゃんと1年かけてしんどい練習を乗り越えて成長していることがうれしい。新入団選手もいい刺激を受けているのではないかと思っています」
―開幕に向けて、意気込みを聞かせてください
「優勝することはもちろんですが、1人でも多くNPBに選手を出したいと思っています。そして堺という地域に、昨年以上にアピールしたい。堺市を盛り上げていきたいです」
シュライクスは今季から本拠地が堺市中区のくら寿司スタジアム堺に移る。堺にプロ野球の本拠ができるのは、1988年の南海ホークスの二軍チーム以来となる。
開幕は延期となってしまったが、新球場で躍動するシュライクスナインを見る日が待ち遠しい。
堺シュライクス
・2018年創立、2019年より関西独立リーグに参入
・チームカラーは緑
・マスコットはライパチ
・今季よりホームグラウンドが堺市に
・ホームページ https://baseball-sakai.jp/
・Twitter https://twitter.com/sakai_cityclub
・Instagram https://instagram.com/sakai_shrikes
(文・写真 SAZZY)